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2006年10月15日 (日)

介護施設業務停止「入居の親どうしたら…」

 商売柄、自分なりに将来を予測し、はずかしながら皆さんの前に開帳するということがあります。
 当然、あたりもあれば、はずれもある。
 最近でいうと、うまく当たったのは、2年前に、社会福祉法人の資金調達の手段の多様化を考えるべきであるとしゃべったことが、今年の8月11日の国のレポートで本格検討に入ったことがある。

 そして、昨年あたりから、「とんでもない事業所は退場していただかないともたない。更新制の導入により、つぶせないから、つぶさない時代は終わるし、法制度もその方向にすすむはず。」と申し上げていましたが、今年、基準省令等が改正され、指導・監査の制度が改められ、ついに、老健の行政処分が行われました。
 それがこの記事です。
 こういうとんでもない施設ですら、「つぶせないから、つぶさない」施設だったわけです。
 このレベルまでいかなくても、明らかにひどい施設、じつは全国にうじゃうじゃいます。そういうところを、利用者への影響をみながら、少しずつ潰していかないといけないわけです。

 しかし、この読売新聞の記事はなんなのだ!

 これまでずさんな経営がまかり通ってきたことを指摘するのは正しい。ただ、そうなると、いつかの時点で行政処分が必要なわけである。そうすると、入所者(というより、家族)が困るのは必至である。
 きちんと最初から指導していれば、こういうことが起こらなかったというのであれば、そういう記事にしていただきたい(多分、そういうことはないはずである。ここまで、確信犯の施設は、どうやって指導しようが、こうなってしまう。「許可をしなければ良かったのではないか」というあたりは、取材する価値あり…しかし、多くの場合許可の時点では見破れない)。
 そもそも、非難するなら非難するで、生産的な非難や提案はできないのか。
 この記事は、どうやら、利用者が困るようなことをするなと言いたいらしい。じゃあ、こういうひどい施設をどうせよというのだろうか。受け皿のために1つ施設を造った上で、行政処分をせよというのであろうか。
 たとえば、私なら、入所者・家族が迷惑にならないように、経営者を入れ替える方法を提案する。しかし、老健だと財産権の問題があるのではあるが(余談であるが、最近、特養が社福でなくてはならない理由を、「おかしな特養はすべて、経営権を奪う」という行政処分をするという前提で正当化されると思っている。それに、医療法人もすべて持分をなくして、財産権の最終帰着先が国であれば、こういう問題が起こらない)。

 まるで、悪いのはすべて行政であるという正義づらをするのはやめていただきたいと思う。行政が全く悪くないというつもりはないが、真実を目をむけずたたきやすいところをたたくマスコミの姿勢は、それと同じかそれ以上に悪いと思う。

 ところで、今回の行政処分、基準省令に従ったとすれば、①改善勧告、②改善命令・公示、③許可の取り消し等となるはずですが、そのプロセスもきちんと取材してほしいものです。また、その間、家族はどう受けとめたか、行政はどのように対応したか…など。

 いずれにせよ、ご家族もうすうす知りながら、そういう施設に入れざるをえないところに追い込まれていた状況は、なんとかしないと…。
 「介護地獄」は多少解消したにしても、単に「姥捨て国家」になっているだけなんじゃあ…。
 せめて、それを問題にしないとねえ、マスコミさん。

 なお、一部の報道で、「サービスそのものは悪くない」的な報道がなされていましたが、こんな法人が中長期的に、良いサービスを提供できるはずはないのである。東京都の担当者の方も、テレビで妙な説明をしていたが、その点も強調すべきである。


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 巨額の公費がつぎ込まれている介護施設で、ずさんな運営がまかり通っていた。

 東京都から14日、全国初の業務停止命令を受けた東京都練馬区の介護老人保健施設「すずしろの郷(さと)」。同施設を運営する医療法人「杏稜(きょうりょう)会」側は13日夕になって施設管理者に医師を就任させると申し出、都福祉保健局では命令を出せるかどうか、ぎりぎりの検討を続けた。施設には72人が入居しており、14日午前の説明会に集まった入居者の家族らは、突然の業務停止に途方に暮れた表情を見せていた。

 杏稜会側が医師の資格を持つ人物の履歴書などを提出し、「施設管理者になりうる」と報告してきたのは13日夕。介護保険法は、介護老人保健施設の開設者に、「都道府県知事の承認を受けた医師に施設を管理させる」と義務付けているのに対し、これまで「すずしろの郷」では、施設管理者としての責任を担える医師はいなかった。

 杏稜会からの突然の申し出に、この規定を根拠に業務停止命令を出す方針だった都福祉保健局は混乱。幹部が集まり、施設管理者の選出方法についての制度や法令の解釈を午前5時ごろまで検討する事態となった。

 その結果、施設管理者は医療法人の社員総会で理事に選出されなければならないのに、杏稜会内部では紛争が続いているため、この医師が直ちに就任できる可能性は低いと判断。業務を継続すれば、入居する高齢者への影響が出かねないとして、既定方針通り、業務停止命令に踏み切った。

 一方、練馬区春日町の「すずしろの郷」では、午前9時半すぎから説明会に出席するため、入居者の家族が集まり始めた。

 91歳になる母親が入居しているという練馬区内の男性(61)は「今年1月ごろ、職員がどんどんやめていったり、給料が支払われていなかったりといった話があった。でも、その後は経営が持ち直したと聞いていたのに」といい、「今月いっぱいで閉鎖という話もあるが、これからどうしたらいいのか。老人ホームに入れたいが、入所待ちの状態だ」と困惑しきった表情だった。

 80歳代の認知症の症状のある父親が入居しているという練馬区内の女性は、説明会開催の通知を前日に郵送で受け取ったばかり。「入居して1年で、ようやく落ち着いてきたところなのに。私も幼い子どもを抱えていて、やっと費用を工面している状態。この先、どうしていったらいいのか」と話し、「もし施設から出ることになるなら、都には許可した責任があるのだから、次の入居先を紹介してほしい。家族も高齢で、どうしようもない事情の利用者もいる」と不安そうだった。

(2006年10月14日 読売新聞)

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