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2006年10月 9日 (月)

社会人大学院に想う

 大学も後期に入りました。ゼミが始まり、ゼミ生のかたがたと、以前より密な議論を行うようになっています。

 それで、最近、自分が、社会人経験者を社会人大学院・専門職大学院で教えることの「難しさ」を勘違いしていたことに気づきました(なお、社会人大学院・専門職大学院には、大卒後即進学する学生が数名いますが、彼らのことは除く)。
 私は、「動機付けが明確で、自分で授業料を払っている方々だから授業や教官に対する注文も厳しいだろう」と思っていました。

 ところが、教員側に聴くと、「専門職大学院の学生は、授業に前向きで教えやすい」と言う人が多いですが、「注文が厳しい」と感じている人は少ないようです。
 確かに、まじめに聴こうという意欲が高いですし、質問や意見も盛んです。その一方で、教員に対する「厳しい態度」というのは余り感じません。

 これはどういうことかということなのですが、結局、学生が「大人」ということなんだろうと思います。
 つまり、皆さん、カリキュラムや授業の内容に、相当疑問なり不信感を感じていても、口に出さないようなのですね。これは、特定の専門職大学院の問題ではなくて、私が教員をやっている日本社会事業大学、早稲田大学で同様の感想を学生から聞きましたし、また、私の知人で働きながら大学院に行っている方も同様の印象を持っておられました。
 それはそれで美しい関係ですが、学生の側に「ムダだった」感が残りますし、なにより卒業生を評価する社会の側が「あんなところに行っても役に立つ人材は養成してないな」ということになります。

 大学の側からすれば、子どもが減る分、大人にもう一度勉強してもらって一稼ぎということになるのですが、そんなに単純ではないということですね。
 そもそも、大学は「蘊奥の究理」のために設置されたもので、「役に立たないことをやる」ところだったはずだったのですね。それが、急に、「すぐ役にたつことをやれ」という大きな方針転換がなされたわけです。なによりも、もっと大学側と教員側が、学生のニーズに応えられるよう必死に努力しないといけませ。また、日頃から社会のニーズに対峙して、ソリューションを提供していっていないと、それを学生に教えることはそもそも難しいと思われます。

 大学の側にたった発言をすると、MBAとか法科大学院では、教えることがある程度決まっていますから、目標を設定しやすいですが、それ以外の大学院では、それがなかなか難しい(神戸大の加護野先生が、「文科省はビジネス大学院を専門学校だという感覚で、誤解がある」と述べられていますが、私の感覚では、専門学校ですらない、という感じも持ちます)。
 誤解がないように言っておきますが、各教員だってまじめに一生懸命取り組んでいるのです。しかし、大学というところで真に「役に立つこと」を教えるということが、難しいということです。

 まあ、何はともあれ、今のままでは、MBAとか法科大学院以外は、「社会人大学院は役に立たない」という烙印を押されてなくなってしまう…こんなことにならないように、私のできることは頑張ってみようと思う次第でした(来年は、もう1つ社会人大学院の教員をやる学校が増えますので…)。
 15年前には大学というところがいやになって社会に出たのですが、妙な巡り合わせです。

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